木工事

木工事用語集


木工事 用語集



いなずま(無双むそう) 掛け軸を吊るす釘がついた横木を無双四分一(無双)と言う。幅の違う掛け軸をバランス良く二幅、三幅と掛けられるように釘が左右に動くようになっている。一般的に杉や桧の無双が用いられている。
落し掛(おとしがけ) 床の間上部の小壁を受け止める横木を落掛(落し掛け)と言う。材の選種は床柱や床框との組合せの中で決められる。
現代の一般住宅では桐・杉・黒檀・紫檀・桧・松などが用いられる。数寄屋造りの様な格式や決まり事に囚われない砕けた感じの床の間では杉磨き丸太・皮付きの小丸太・竹・栗などが用いられている。和室に軽妙な感覚を持たせたい場合には、見付けを極力薄くした刀刃(八掛け)を用いる。
雑巾摺り(ぞうきんずり) 雑巾摺り(ぞうきんずり)は、伝統的な日本建築において、壁の下端線と床とが接する部分に打ち付けられる部材をいう。多くの場合は木製である。清掃用具が接触するなどして汚損、破損されるのを防ぐ目的がある。西洋建築の「はばき」に相当する。
床框(とこかまち) 床の間を座敷面から柱一本分程度高くして畳床や板床とする場合、その端を隠す為に用いる材を床框と言う。
格式高い床の間には桧材に黒漆塗を施した床框を使うが、現代の一般住宅では漆の代用品としてカシュー塗の面皮框や、欅・脂松・黒檀・紫檀・鉄刀木・花林・黒柿などが用いられている。
後框(うしろかまち) 押入れは中板により上下二段に仕切られている場合が多い。後框は奥側にある横木の部分。
前框(まえかまち) 押入れは中板により上下二段に仕切られている場合が多い。前框は手前側にある横木の部分。
床板(とこいた) 床の間に貼る板。
際根太(きわねだ) 壁際に掛け渡される根太。マンションの二重床等では壁際が弱くなり、重いものを常時載せていると下がってしまったり、また床鳴りが起こったりする。 そのため支持脚と同じ高さで壁周辺に木軸を組み、壁周辺のボードが下がってこない様にする。
束(つか) 束(つか)とは2階の梁の上や、1階の床下などに立てる短い柱のこと。
1階床下に設ける束を「床束(ゆかつか)」といい、大引きを支え、束石の上に乗っていて、床の荷重を地面に伝える役目をする。
天鴨居 鴨居(かもい)は、和室の襖や障子などの建具を立て込むために引き戸状開口部の状枠として取り付けられる横木。
建具を滑らせるために溝を彫られる。下部に取り付ける敷居と対になっている。簡単に言えば上部に渡されているレールや溝の付いた水平材のことである。
中鴨居(なかがもい) 敷居と鴨居の中間に取り付ける鴨居のこと。たとえば、書院窓は上部に欄間をはめ込み、下部を組子障子の引き戸にするときなどに用いられる。
敷居 敷居(しきい、閾)は、襖や障子などの建具を立て込むために開口部の下部に取り付ける、溝やレールがついた水平材。
上部に取り付ける鴨居と対になっている。強度と滑りやすさが求められ、松が一般的で、他に栂や桜、檜が好んで使われる。
シナベニヤシナの木の単板を表面に貼った合板。シナは繊維が長く柔らかいので衣類に傷を付け難い。
箪笥(たんす)の内貼り・押入れの棚・アイスクリームのスプーンなど。板目がよく出るので塗装建具に使う場合もある。
杉杢目天井(すぎもくめてんじょう) ・杉柾目天井(すぎまさめてんじょう)

丸太の中心に向かって挽いたときに現れる年輪が平行な木目を柾目と言う。中心からずれて挽くと、山形や筍形の木目が現れる。これを板目と言う。板目同様の挽き方でも樹種の違いや、育った環境によって複雑な模様が現れることがある。これを杢目と言う。杉材の杢目で作った天井板を杉杢目天井と言い、柾目のある杉材で作った天井板を杉柾目天井という。

天井廻縁(てんじょうまわりぶち) 見切り縁と呼ばれるものの一種で、天井と壁、壁と床が接する部分など複数の面や仕上げが異なる部分が接する部分のこと。天井と壁の接する部分に設ける見切り縁を「廻り縁」と呼んでいる。部屋の中の天井と壁の際(きわ)をぐるりと廻っている。
天井野縁(てんじょうのぶち) 天井板などを張るための下地の骨組みとなる細長い角材で吊木に取り付ける。
付長押(つけなげし) 鴨居の上部に台形の木材をつけて壁を装飾する横木のことを言う。
その殆どが建物の構造的な役割ではなく、座敷を構成するデザイン的な役割を持っているため、和室のデザインに関する打合せの時には良く専門用語として使用される。
間柱(まばしら) 木造、軽量鉄骨建築物の柱間に入れる部材。 通常の柱は断面が正方形だが、間柱は断面が長方形となる。木材の間柱は普通、木口30mm×106mm長さ3mの杉材として売られていることが多い。
プラスターボード 石膏を芯材として、その両面と側面をボード用紙で被覆したボード。
耐火、防火、遮音、断熱性能があり、室内の仕上の下地材として使用される。
板畳(いただたみ) 室などの畳敷き以外の部分で、畳と同一平面に造作された板敷き部分のこと。箪笥などの家具などを置いたり、茶室の入口部分の踏み込みなどに利用される。歩けるほどの広さの板敷きの空間になると板間という。畳敷きの部分の周囲を板畳で囲むなど、空間演出の手法としても利用されることもある。
桧縁甲板 縁甲板とは、縁側、広縁や和風の廊下等の床仕上げに張る床材のことで、主にヒノキ、杉、松などの針葉樹が用いられる。

サイズは、幅90mm~300mm(3寸~1尺)、厚さ15mm~30mm(5分~1寸)程度の木板で、施工したとき釘が見えないように、一方の板の側面に彫った溝に、他方の板につくった突起を差し込む、本実(ほんざね)加工が施されている。
畳寄せ(たたみよせ) 真壁の和室などに畳を敷いたときに、畳と壁が接する部分にできるすきまを埋める横木。